自然との出会い
                                    ヤナギラン
                
北海道に生まれて、幼い頃から雄大な景色に慣れ親しんでいた私です。 
とりたてて〈自然〉を意識することなく、長いこと過ごしてきました。
 
 木も草も花も総称で呼ぶだけ。 四季の景色の美しさに感動はしても、個々の植物に目を向けるなんてことは、およそ考えられない私でした。 
 それがふとしたことから自然散策の楽しみを覚えるようになって、私の中の何かが変わっていくのを感じました。 

 忙しく生きてきた日々で、見落としてきたかもしれないとても大事な何かを気付かせてくれる、そんな力が自然の中にはあるような気がします。
 野や森や湿原、あるいはすぐ側の道端で、ひっそりと生命の営みを繰り返す、もの言わぬ植物達。 その圧倒的な存在感に気付いたとき、私は自分でも驚くほど新鮮な感動を覚えました。      
          

風や小鳥の鳴き声がBGMになっていたら、そこは申し分のない贅沢な空間です。

これからも、時々はそんな自然の中に身を投げ出して〈元気〉をもらいに行こうと思っています。




           ノビネチドリ (6/17)          センダイハギ (7/7)
 札幌から道東に移り住みました。 
札幌では野幌森林公園がお気に入りの場所でしたが、
こちらでは肌寒い気候にもかかわらず野の花たちの豊富さに驚かされます。
 野生のラン(ノビネチドリ)が仲良くふたつ、JR線路脇の
斜面下に並んで咲いていました。 
センダイハギは海岸近くの牧場の横で鮮やかな黄色を誇っていました。  
          エゾオオヤマハコベ  (7/5)     ヒオウギアヤメ (6/21)
 国道沿いの埃っぽい草むらに可憐な白い花が沢山
ありましたが、初めて見るものでした。
 図鑑を見て名前がわかった時は思わず嬉しくなります。
 ヒオウギアヤメは釧路湿原で撮ったもの。 
白いワタスゲやサギスゲが風の中で揺れていましたが、まるでこの
青い色の引き立て役になっているような風情でした。




        カラマツソウ    6月           ドクゼリ    7月
カラマツソウはひと月ほど前のものですが、何故か花火を思わせる好きな花です。
 カラマツソウは花がなくても 葉の緑色が際立って美しく、
いつもその色に惹きつけられてしまいます。
 湿原にこれから頻繁にみられるドクゼリ、名前は物騒ですが
こんな可愛い咲き方をしています。
       ホザキシモツケ     7月          ハマナス    7月
7月下旬に訪れた湿原付近はホザキシモツケが満開、
泡のようなピンクの花がそこかしこで目をひきました。
 前から見たかったトキソウにも出会うことができて感激でした。
でも思ったよりずっと小さな花で木道から撮ることはできませんでした。
 北斗展望台のハマナスに目を止めると珍しいことに、白いのが
ひとつだけ赤に囲まれて咲いているのを見つけました。
この日に見た野の花は20種類近く、朝からひどい頭痛があったのですが
散策は不思議な特効薬です。


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